「慢性腎臓病療養指導看護師」の資格を取得しよう

透析看護師として働きたい人におすすめの資格が、慢性腎臓病療養指導看護師です。

資格について

高齢化の影響もあり、腎臓病の患者は年々増えています。各医療機関では増え続ける患者に対応するために透析室の増設を行っています。それに伴い、透析に関する専門的な知識や技術を有する看護師が求められるようになりました。そこで、透析のスペシャリストを育成するために2004年に設立された資格が、透析療法指導看護師です。現在は慢性腎臓病療養指導看護師に名称を変え、多くの現場で資格を取得している人材が求められています。
慢性腎臓病療養指導看護師は、透析のスペシャリストとして透析療法を実施しつつ、患者やその家族に対して治療の説明や生活指導を行います。透析の関連資格として透析技術認定士もありますが、こちらはどちらかというと臨床工学技士向けの資格です。透析看護師として働くなら、慢性腎臓病療養指導看護師の取得を目指した方がいいでしょう。

慢性腎臓病療養指導看護師の役割

看護師資格だけを取得している場合、主な仕事は透析室で行われる業務になります。一方、慢性腎臓病療養指導看護師はチーム医療における重要な役割を担い、各専門分野のスタッフと共に透析医療に携わることになります。透析室の仕事はルーティンワークが基本といわれますが、チーム医療で携わる場合は患者ごとに対応が異なるため、より専門的な知識が必要になります。また、治験病院などで透析に関する研究に携わることもあります。

取得する方法

慢性腎臓病療養指導看護師を取得するためには、毎年行われる認定試験に合格しなければなりません。試験の合格率は8割を超えるため、そこまで難しくはありません。一方で、受験資格を得るまでのハードルが高い傾向にあります。条件としては、「正看護師である」「日本腎不全看護学会の会員として3年以上継続して入会している」「慢性腎臓病看護領域実務経験が3年以上ある」「正看護師としての実務経験が5年以上ある」などが挙げられます。なお、資格取得後は一定期間ごとに更新が必要になります。更新の可否は試験ではなく、それまでの実績に応じて決まります。
このように、受験資格を得るまでのハードルが高い慢性腎臓病療養指導看護師ですが、高齢化に伴い透析患者が増えている日本においては、非常に将来性のある資格といえます。透析室の仕事は給与が高い傾向にありますが、資格があればさらに高給与を期待できるでしょう。これから透析室の仕事に携わりたい人や、プロフェッショナルを目指したい人はぜひ取得を目指してください。以下に、資格取得にあたって参考になる情報や書籍を紹介します。